2019年10月24日、人気アイドルグループ・嵐のライブチケットを高額転売したとしてファンの女性がチケット不正転売禁止法違反で書類送検されました。6月に施行されたチケット不正転売禁止法が初適用され、大きな話題を呼んでいます。しかし、公演チケットを買った人のなかには行く予定で買ったけど急遽予定が入り、チケットを転売したい人もいるでしょう。そこで今回はどんな行為なら違法にならないのかについてご紹介します。
目次
チケット不正転売禁止法とは
チケット不正転売禁止法とはコンサートやライブ、舞台、スポーツの試合などのチケットを不正に転売することを禁止した法律です。近年これらのチケットを転売目的で購入し、定価の何倍もの価格で販売する行為が問題視されたことを受けて施行されました。
違法となってしまうのは
・興行主によって転売が禁止されているチケットを転売した場合
・定価よりも高い金額で販売した場合
・繰り返し転売する意志がある場合
の3パターンです。
定価より高い金額でチケットを売ると利益を得ようとしたとみなされ、不法転売とされる可能性があります。また、同じ公演のチケットをひとりで何十枚も買い占める行為も、友人に譲るためとは考えられない場合は違法性が問われるでしょう。
もしチケット不正転売禁止法違反になれば、1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方が科されます。
転売が禁止されているチケットの種類
チケット不正転売禁止法で転売が禁止されているチケットは「特定興行入場券」と呼ばれるものです。
特定興行入場券には
・興行主が有償譲渡を禁止しており、そのことが明記されているチケット
・日時や座席、場所が指定されているチケット
・購入者の名前と連絡先を確認する措置を取り、そのことが明記されているチケット
が該当します。なお、紙のチケットだけではなく電子チケットも対象です。
無料で配られた招待チケットや日時指定のないチケット、転売を禁止することが書かれていないチケット、購入者や入場者の確認が行われないチケットは特定興行入場券ではないのでチケット不正転売禁止法の規制対象外となります。
チケットを転売しても違法とみなされないケースとは
チケットを転売しても違法にならないケースには
・急用や病気で行けなくなったチケットを定価以下で売った場合
・特定興行入場券ではないチケットを販売した場合
があります。
急用や病気で行けなくなったチケットを定価または定価よりも低い金額で売る行為は、不正転売とみなされないため違法性を問われることはありません。チケットを買ったけど行けなくなった場合は、定価よりも高い価格で売らずに定価または定価以下で安全な場所で転売しましょう。
行けなくなったチケットを安全に転売するには
行けなくなった公演チケットを安全に転売するには公式リセールサイトを利用するのがおすすめです。リセールサイトとはチケットを買ったけど公演に行けなくなった人が定価で再販できるサイトです。
公式リセールサイトは興行主から同意を得ているため安全に譲渡でき、仲介業者が入ることで配送や入金トラブルを回避することができます。主な公式リセールサイトには「チケトレ」や「Cloak」、「劇団四季idセンター」などがあります。
ヤフオクやフリマアプリで転売することも可能ですが、出品できるチケットが限られていたり、詐欺に巻き込まれたりする恐れもあるので、安全に転売したいならなら公式リセールサイトを使いましょう。
チケットを転売するときの注意点
興行主側もチケットの高額転売を防ぐため、入場時に本人確認をするなど厳しい対策を行っているところがあります。入場時に運転免許証やパスポートなど氏名と顔写真が載っている本人確認書類の提示を求められたり、購入時に顔写真の登録をして入場時に登録済みの顔と一致しなければ入れなかったり、本人確認方法はさまざまです。
本人確認が必要なチケットを知らずに転売した場合、使えなかったとクレームを受けるかもしれません。独自の転売対策をしていないか、事前にしっかり確認しておくことが重要です。
リセールチケットを購入するときの注意点
抽選に外れてしまったけど、どうしてもチケットを手に入れたいときはリセールチケットを購入したいと考えるでしょう。このとき、SNSを通じて譲ってもらうのは危険です。TwitterなどのSNSではチケット転売を呼びかける投稿がありますが、配送や入金のトラブル、詐欺に遭ってしまう恐れがあります。
リセールチケットを手に入れたい場合は、公式リセールサイトを通して購入しましょう。正規ルートで買うと、公演が中止や延期になった場合も払い戻し対応をしてくれたり、購入証明書が発行されることでスムーズに入場できたりメリットがあります。
【まとめ】行けなくなったチケットは安全な場所で売ろう
チケット不正転売禁止法の施行により、不正な転売をしてしまうと違法性が問われるようになりました。うっかり違法行為をしてしまったり、詐欺などのトラブルに遭ったりしないためにも、公演に行けなくなってしまった場合は公式リセールサイトを活用するのがおすすめです。
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