子どもと一緒に片づけよう~小学校高学年編~

子どもと一緒に片づけよう~小学校高学年編~

こんにちは!

全5回でお子様との片づけについてお伝えしています。
1回目は「赤ちゃん~3歳編」
2回目は「幼児編」
3回目は「小学校低学年編」でした。

4回目は小学校高学年のお子様との片づけのお話です。

今回は【片づける前にとても大切なこと】と、実際の【片づけの手順】の2つをお話します。

【片づける前にとても大切なこと】

小学校高学年になると、もうある程度自分のことが自分自身でできるようになっている年齢。
そして少し思春期の入り口にさしかかっていて、あまりごちゃごちゃ口うるさく言われてたくない年頃ですよね。
それと同時にやりたいこともやらなければならないことも多くなる時期。

そこで大切なのは「何のために片づけをするのか」ということを考えて決めることです。
 
これが片づける前のとても大切なこと。
 
ただ単に物をしまっていくことが片づけの目的ではありません。
自分が本当にやりたいことをするための時間を作るために片づけが必要なのです。
 

片づいたその先をしっかりイメージすること。
きちんとゴール(目的)を決めることが大切です。

 
 

 
 
例えば、新しいスポーツの習い事を始めた小学校5年生のA君のお話をしましょう。
 
前からやりたかったスポーツをやっと始めることができて、本当に嬉しいA君。
毎日毎日練習がない日も、家で自主トレをしてやる気は満々。
スポーツをするための道具や、服も一気にたくさん増えました。
 
 
実はA君、スポーツを始める時にご両親と約束をしていることがありました。
それは「道具の管理や準備は自分ですること、勉強を疎かにしないこと」です。
 
でも、それがうまくできない。
 
練習から帰ってきたら道具はそのへんに置きっぱなし、
使った服はそのまま脱ぎ捨てて次使う時に洗ってなくて困る、
部屋も片づかなくて色々なことが悪循環、という状態。
 
そこで私にSOS。
以下はA君とのやりとりです。
 

私 :どうして部屋を片づけたいの?
A君:練習に行く時にいちいち物を探さないといけないのが嫌だ
 
私 :そうだよね。毎回毎回物を探すというのは、本当にもったいない時間だよね。
 
A君:すぐに練習に行きたいのに、それができなくてイライラしてお母さんに怒ったりしてしまう。練習が終わって宿題をやろうと思っても部屋がぐちゃぐちゃでどこでやったらいいのかわからない。いつも適当にその辺の物を避けて場所を作ってやってる感じ。
 
私  :そっか。じゃあ部屋が片づいたらどうなると思う?
A君:練習の準備もすぐできて、やりたい時に練習がすぐできるようになると思う!
   勉強をする場所も決まってると、すぐにとりかかれそうかな。
 
私 :じゃあそれがA君の部屋を片づけるためのゴール(目的)だよ。
  「やりたい練習をするために、道具や服の場所をきちんと決める。
   勉強にとりかかりやすくするために、余計な物を無くして場所を作る。」だね!
A君:わかった!やってみる!

 
 
 
といった風に、きちんとゴールを決めることが何より大切で一番最初にすることなのです。
ただ闇雲に片づけを始めてしまっても、ゴールがはっきりしていないと、
またすぐにリバウンドしてしまうかもしれません。

 
 
でもゴールが決まっていれば、そこに向かって片づけていけます。
 
物を処分するかどうか迷った時も、片づけるためのゴールが明確であれば、
「そのゴールにたどりつくためにこの物は本当に必要だろうか?」と考えることができます。
 
 
山登りに例えると、
頂上(ゴール)がわかっている→あそこまで行けば辿り着ける、しんどいけれど頑張ろう!
頂上(ゴール)がわからない→いったいいつまで登り続ければいいんだ、先が見えない、やりたくない
という風に意識がまったく違います。

【片づけの手順】

実際に物を片づける時の手順は次の4ステップです。

1)ゴールを決める
2)片づけたい場所から物を全部だす
3)物を分ける
4)残すものだけを戻す

では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
 

1)ゴールを決める

これは上記に書いたとおりです。
まずはゴールを決めることが大切!
しっかりと片づいたその先のイメージを作りましょう。
 

2)片づけたい場所から物を全部だす

・片づけたい場所のものは、ひとつの残らず全部出します。
・あらかじめ物を出すスペースを作っておきましょう。
 

3)物を分ける(ここが一番大変だけど、とても大切)

・決めたゴールに沿って物を分けていきます。
・自分や家族にとって必要な物、大切な物を選び取っていきましょう。
・捨てる物を選ぶのではありません、大切なもの・使うものを選びます。
・自分がわけやすいキーワードを見つけましょう。
・2分類(いる、いらない)ではなく4分類ぐらいにわけると分けやすいです。
 (例:1週間以内に使う、1ヶ月以内に使う、1年以内に使う、使わない)
 

4)残すものだけを戻す

・同じ目的で使うものは、同じ場所に収納し、収納するスペースを決めましょう
自分の行動動線をしっかり考えることが大切。
・誰がどこで使うものなのかを考えましょう。
・実際に出したり戻したりをしてみて、やりやすいかどうかチェックしましょう。
 
 

片づけに慣れていない方はいきなり大きなスペースから始めるのではなく、
小さなスペース、例えば引き出し1個から始めるといいですね。

【まとめ】

小学校5年生の家庭科の授業で片づけを学ぶ授業があります。
でも本当に少しだけ。
これ以外に片づけを学ぶ機会って実はないのです。
だからこそ、このぐらいの年齢で片づけの手順だけではなく、
何のために片づけるのかをまずは考えること、を知ってほしいと強く思います。