マダニ感染症患者は年々増えている!これからマダニに感染しないためには

マダニ感染症患者は年々増えている!これからマダニに感染しないためには

マダニが媒介して発症する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」が過去最多ペースで増えていると発表されました。マダニの生息場所は、野生動物が生息する森林や農作物を育てる畑・あぜ道などにも生息しています。マダニは人の命をおびやかす感染源です。年々マダニによって重い症状を発症している人が増えているので、マダニから身を守ることがこれからさらに必要となっていくでしょう。今回は、マダニに感染する原因や予防方法などを紹介していきます。

どれくらいマダニ感染者はいる?

国立感染症研究所の発表によると、10月現在今年に入って88人発症したという報告があり、これまで3人の方が亡くなっています。全国的にみると、西日本を中心とした21府県から報告。その中でも、山口県11人・徳島県9人と多く次いで島根県・長崎県・宮崎県・鹿児島県で8人となっています。マダニに関係する病気には「重症熱性血小板減少症候群」「日本紅斑熱」「ダニ媒介脳炎」などいろいろな種類があります。

マダニに感染する原因や症状とは

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はウイルスを持っているマダニに噛まれることで感染します。発症するまでの潜伏期間は6~14日。発熱・腹痛・下痢・嘔吐や筋肉痛・神経症状を起こすこともあります。マダニが発生する時期は、3月から11月が一番多く発生しており、致死率は10~30%程度と報告されています。マダニは次のような場所に生息しています。

森林

シカやイノシシ・アライグマなど野生動物が生活する場所です。

畑・あぜ道

農作物を育てている畑やあぜ道、家の庭、公園などでもみつかっています。

マダニから身を守るためには

マダニに感染しないためには、自分で身を守ることがもっとも大切です。草むらがある場所にいくときは、次のようなことに注意しておきましょう。

長袖・長ズボンを着用する

できるだけ肌の露出を控えるようにすることが大切です。頭を守るために帽子をかぶり、首はタオルを巻くかハイネックのシャツを着るようにします。シャツの裾からマダニが入らないように、シャツの裾はズボンの中にいれましょう。またシャツの袖口も軍手の中に入れるなど少しでも隙間を与えないことが大切です。

明るい色の服を着用する

洋服・寝具などに生息するダニは、マダニとまったく違う種類のものです。家の中にいるチリダニといわれるダニは、0.2から0.4mmとほとんど人の目で見つけることはできません。しかし、マダニは明るい色の服を着ると見つけやすくなります。マダニの大きさは血を吸う前は3~8mm、血を吸ったあとは10~20mmになります。もし、見つけても直接手で触らないようにしましょう。

犬や猫から感染する場合もある

家の中で買われている犬や猫から感染することはないと報告されています。しかし、口移しで餌をあげるなど過剰なスキンシップは危険です。また、野生動物や野良猫など病気を持った動物は要注意です。できるだけ触らないようにしましょう。

マダニを寄せ付けにくい忌避剤(虫除け)を利用する

ドラッグストアに虫除けをする忌避剤が販売されています。薬の説明の中にマダニに対する効果も書かれているのでお店で確認してください。マダニに効果のある忌避剤はディート・イカリジンといった成分です。ただし、マダニに100%効果があるわけではありません。また、子どもに使用できないものもあるので注意してください。

家の中に草むらの中で着用した服を持ち込まない

草むらなどで歩いたときに着用した衣服は、家の中に持ち込まないようにしましょう。特に、帽子・軍手・上着・ズボン・靴など、まだマダニが付着している可能性があります。外で衣服を手洗いするか、ガムテープなどで衣服をについたホコリなどを取っておきましょう。

お風呂に入ったときに全身を確認する

家に帰ったあとは、お風呂に入って全身をもう一度確認しておきましょう。特にマダニにかまれやすい、首・足首・手首・脇の下などをチェックしてください。

マダニにかまれたときは

マダニのような虫にかまれたときは、自分で無理にとろうとせずそのまま病院で診てもらいましょう。マダニはかまれても気が付かない場合もあります。マダニに有効な治療薬はないので、対症療法となります。また、マダニは発症するまで潜伏期間があるため、数週間は経過を観察する必要があります。発熱・下痢などの症状があった場合は病院で相談しましょう。そのまま放置すると命に関わることもあります。

まとめ

マダニは、森林など草むらの中だけで発生するものではありません。家の近くにある公園や家の庭などでも感染したケースも報告されています。また、イノシシ・シカ・アライグマなど野生動物に生息している場所も注意が必要です。できるだけこのような場所に行くのは控えるようにしましょう。マダニが発生しやすい場所に行くときは、しっかりと洋服・虫よけ剤などで予防することが必要です。

(参照:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html
(参照:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html